Be Cafe Magazine

GM..(ジーエムツー)~手仕事の温かみが、使う人の“栄養”に~

time 2018/07/13

GM..(ジーエムツー)~手仕事の温かみが、使う人の“栄養”に~

明月院や建長寺、円覚寺などのお寺が佇む北鎌倉は、のんびりと時間が流れる土地です。
小さな北鎌倉駅を降りて鎌倉街道沿いを4分ほど歩くと、木本晃子さんのお店GM..(ジーエムツー)にたどり着きました。
取材日は6月のど真ん中。GM..では「あじさい展」が行われていました。吸い込まれるようにお店に入ると…
 

手仕事のプロによる、人の手のぬくもり

雨傘のブックカバーは、梅雨の季節にぴったり。

雨傘のブックカバーは、梅雨の季節にぴったり。

GM..のコンセプトは「洗練と温かみ」です。

1つ1つの作品は作家さんが考え抜き、自分の作風を確立させてようやく形になったものです。どれも時間をかけて磨き上げられた特別な一品。

でも、質が良いだけではありません。もちろんプロとしての手仕事だけれど、そこにはちゃんと人の手の温かみも閉じ込められている。

作家さんが作り出した、世界にひとつだけの特別な香り。

作家さんが作り出した、世界にひとつだけの特別な香り。

香水だって、作家さんが香りにとことん向き合ってできた作品です。
「香水は調香師の作家さんが作ったオリジナルの香りなんですよ。1滴2滴で香りも全然違うものになります。作家さんが1年もかけて、ようやく納得して完成させたものもあるんですよ」

さらりとした手触りが気持ちのよい器。食器類は木本さんがしばらく使ってよいと思ったものを作家さんにお願いしています。

さらりとした手触りが気持ちのよい器。食器類は木本さんがしばらく使ってよいと思ったものを作家さんにお願いしています。

「手仕事は厳しい世界だけれど、修行されている方は本当に凄いです。その道を究めている作家さんを見ると、私も背筋が伸びるような思いですね。自分の作風を確立するまでって大変なんですよね」

あじさいのヘアゴム。梅雨の時期は「あじさい展」が開かれ、期間中はあじさいグッズでお店が彩られます。

あじさいのヘアゴム。梅雨の時期は「あじさい展」が開かれ、期間中はあじさいグッズでお店が彩られます。

味のある作品の後ろ側には、作家さんの試行錯誤が隠されています。簡単に生み出せるものではないからこそ、どの作品にも人を一目ぼれさせてしまう力が宿っているのです。

 

「GM..(ジーエムツー)」:2人の小さな力で、お客さんに栄養を

窓際には涼しげなトンボ玉のネックレス。

窓際には涼しげなトンボ玉のネックレス。

「GM..ジーエムツー」という店名、取材前から「GM」とその後に続く2つのピリオドが気になっていました。
とてもスマートな響きだなぁ。そう思いつつ、木本さんに尋ねたところ、何ともほっこりする答えが返ってきました。

あじさい模様の小皿。暑い夏には涼しげなアイテムです。

あじさい模様の小皿。暑い夏には涼しげなアイテムです。

「『GM..』は“ごま”の点々が2粒なんですよ。2粒のごまは主人と私です。ごまのように小さな素材だけれど栄養もあって、みなさんに栄養を届けられるようにと願いを込めて『GM..』にしました」

なるほど、GMは“ごま(GoMa)”のGとM、2つのピリオドは木本さんとご主人を表していたのです。

地層のような層を織りなす箸置きや小皿。

地層のような層を織りなす箸置きや小皿。

どの作品も小さいけれど、ごまのように栄養満点です。
こんなに小さな指輪も、身につけているだけで心がすっきり晴れるのだから不思議です。

飴玉のようにおいしそうな指輪。右上の指輪は空をイメージしたもの。

飴玉のようにおいしそうな指輪。右上の指輪は空をイメージしたもの。

持っているだけで、そばに置いているだけで、今いる場所が素敵な世界に変わる。店名に込められたごま「..」の魔法が、その作品を手に取った人に降りかかるのです。

 

「旅のおすそ分け」

旅先で見つけたものがいっぱいに詰め込まれた棚。

旅先で見つけたものがいっぱいに詰め込まれた棚。

GM..の入り口付近、左側には小さなカード入れの棚がありました。これは木本さんの「旅のおすそ分け」です。

棚の中に、木本さんがドイツで手に入れたオーナメントを見つけました。

棚の中に、木本さんがドイツで手に入れたオーナメントを見つけました。

「旅が好きで、毎年夏には買い付け旅に出かけていて。そのときの気分で行き先を決めてますね。これまでベトナムやドイツ、フランス、去年はポルトガルに出かけたんです。今年もポルトガルに出かけようと思っているところです。」

お店を見回してみると、旅先の蚤の市で出会ったものがあちこちに並べられています。

ポルトガルで見つけたグラスは、手のひらに乗る小さなサイズ。お酒をちびちび飲むにはぴったりです。

ポルトガルで見つけたグラスは、手のひらに乗る小さなサイズ。お酒をちびちび飲むにはぴったりです。

旅先ではご主人がスケッチを描きます。
設計に携わっているだけあり、植物のつるのように繊細なタッチが目に焼きつく作品です。
旅のスケッチもポストカードに。

手書きの絵は、写真のポストカードとは違う雰囲気です。人の手の温かみがたっぷり伝わります。

手書きの絵は、写真のポストカードとは違う雰囲気です。人の手の温かみがたっぷり伝わります。

「写真ではなくて、スケッチすることで時間の流れは全然変わります。自分の手で描くと、風景が心に焼きつきますよね。スケッチはなかなか奥が深いです」

旅のおすそ分けは店内での展示販売に留まりません。

「GM..と同じ鎌倉街道沿いに、コンロランさんというお店があって、合同の企画展も開いているんですよ。コンロランさんはいろんな国の雑貨を扱っているお店なんです」

木本さんがポルトガルとドイツで手に入れたボタンで作ったアクセサリー。素朴な質感が温かい。

木本さんがポルトガルとドイツで手に入れたボタンで作ったアクセサリー。素朴な質感が温かい。

ご近所の雑貨屋さんと合同で行う『キタカマユーロ、あっちこっち』。3つのお楽しみ企画を開く予定です。

他店とコラボすることで、企画展に訪れた人もまた、別の空間を旅することができるのですね。

 

「人が作ったものへの感動」と「空間を作りたいという思い」

天井が高く、開けた空間。そして木の温もり、照明の光があたたかい。

天井が高く、開けた空間。そして木の温もり、照明の光があたたかい。

「自分の空間を作りたい」。今年で12年目をむかえるGM..は、木本さんのこのような気持ちから芽生えました。もともと木本さんは建築を学んでおり、ご主人は設計関連の仕事をしています。

とんぼ玉は水の玉のような透明感。

とんぼ玉は水の玉のような透明感。

「前から自分の空間を作りたいと思ってましたね。自分の周りの空間を良くしたいと思っていて。一番始めやすかったのが雑貨屋さんでしたね。手仕事は趣味で見るのが好きだったんですよ」

子供の頃、ぬいぐるみに反応しなかった木本さんを魅了させたぬいぐるみたち。

子供の頃、ぬいぐるみに反応しなかった木本さんを魅了させたぬいぐるみたち。

「空間」という視点からできた雑貨屋さんは珍しい。
実は北鎌倉にできたいくつかのお店は、設計面で木本さんご夫婦が協力しています。「空間を作りたい」という気持ちは、雑貨に留まらず、北鎌倉のまちにも広がってゆきます。

お猪口ととっくりを持ってほろ酔い気分。個性的だけれど、温かい作風です。

お猪口ととっくりを持ってほろ酔い気分。個性的だけれど、温かい作風です。

「大量生産を否定するわけではないけれど、人が作り出したものに感動するんです。作品の後ろ側に、作家さんの顔が浮かんでくるから、大切に使わないと『ああ怒られちゃう』って思います。
それに、個性があるものって被らないから使いたいんですよね。」

「あじさい展」の一品。お花の青さが清々しいピン止めです。

「あじさい展」の一品。お花の青さが清々しいピン止めです。

世界に1つしかない北鎌倉の空間・GM..は、唯一無二の宝物がたくさん見つかる宝石箱のようなお店でした。

「GM..ジーエムツー」店舗情報
店舗名:GM..ジーエムツー
所在地:〒247-0062 神奈川県鎌倉市山ノ内1386
営業時間:11:00~16:00
定休日:火曜
※毎年7月頃に、海外買い付け旅のためお休みします。告知はブログ、Twitter、Instagramから。
電話番号:0467-25-1156
アクセス:JR横須賀線北鎌倉駅より徒歩4~5分。
HP:https://gm2a.exblog.jp/
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【ギフト対応】
 

 


ラッピングも人の手の温かみが伝わる、やさしいテイスト。
お客さんがプレゼントを贈る相手に合わせ、その都度ラッピングを考えます。
他店購入物の同梱・熨斗対応は不可。配送は応相談。

 
 
取材日にちょうど開催されていた「あじさい展」では、気分がすっきりとする爽やかな作品が展示されていました。

木本さんから聞いた通り、どの作品も見ているだけでほっこりする、それでいて作家さんの手仕事への姿勢に気が引き締まります。「今日はたっぷりと栄養をもらったな」。GM..の由来を思い出しながら、帰途についたのでした。

writer 瀬尾愛里紗


ツールバーへスキップ